デザイナーコラム ~SSSの制作秘話~

ストーリー

7/20にリリースされたSSS。
今回のSSSは2019年のうちから構築されており、2020年の東京オリンピックに向けて変化していった東京のエネルギーからインスパイアされて作っていました。

街中に響く工事の音、ストリートを行きかう人や車の音。

東京はエネルギッシュに躍動していました。

しかし2020年3月頃からコロナウィルスによって世界的な混乱が生まれ、ネガティヴな状況となり、
東京オリンピックは開催延期。むしろ中止になるとまで言われているなか、SSSはそれでも進んでいきます。

当初の私の思いに水を差され、コンセプトと世間的なテンションに差が生まれてきていることを感じながらも、
企画が進んでいくと、その時その時の世界の情勢を踏まえて、また新たなSSSへの思いが生まれてきました。

2019年、東京では大きく街並みが変化してきたのは事実であり、このパンデミックを乗り越え、これまでの賑わいを取り戻そうとしていく“東京のエネルギー”がこれから見られるはずです。

これまでの『オリンピックに向けて盛り上がるぜ!うぇーい!』というテンションから
『またこれから巻き返していくぞ!』という思いと勢いを表現したシリーズへと変化しました。

ただし、根本にある『東京という街の賑わい』という点では全く変わっておらず、街中は徐々に賑わいを取り戻し、また様々なSound Effectがあふれてきています。

こうしてこのSSSは、東京という街が持ち合わせている遊び心と大胆さ、華やかさや何より“騒がしさ”は決して消えることがない!というあふれるエネルギーを表しています。

世界でもトップ5に入るほどの最先端都市である東京はこうしてまた様々なトレンドやファッション、Sound Effectを発信し続けます。

もの作り

もの作りの観点でいうと、今回ほど凝ったものは今までなかったかと思うほど複雑なものでした。
恐らく他社でもなかなかこれほどまでこだわった(こじらせた)ことはしていないと思います。

リングにこめたSSSのストーリー。

派手な印象のラインナップですが、象徴的なリングにはサイドから見ると2020年現在の東京のビル群を
イメージするデザインになっています。

幾重にも重ねられたレイヤー、湾曲とエッジ感のコントラストが躍動感を感じさせる立体感を形成しています。

 

このSSSは日本が世界に発信しているポップカルチャーのひとつ『マンガ』をテーマに、マンガに描かれている”効果音”で表現しており、渋谷PARCO改装時のアートウォールや、CELINEで打ち出したクリスチャンマークレーのミリタリーコートなども同様の表現として東京のファッションと溶け込んでいます。

 

ファッションとしてのSSS

シンプルが好まれる今のファッションには主張が強いこのSSSですが、全身このSSSで固めろ!というものではないと思っています。

ブレスレットにせよネックレスにせよ、リングにせよ、気に入ったものを1点。どんな服装でもいいので気にせず着けてみることを私はオススメしています。

私は普段、黒か白の無地、足元はスニーカーというスタイルが多いです。

必然的にアクセサリーが目立ちやすいカッコなのですが、このSSSをもう少し活かせるようなバンドTなどとも相性が良いと思っています。

 

また、攻めたファッションを楽しむ人には、全てSSSで合わせるといった大胆なスタイルがおススメです。

MARVELのキャラクターものやSupremeやSTUSSYなどと合わせるのも面白いですね。

 

最後に

このSSSは私が今年一番気合を込めて、一番楽しみながら作った、思い入れの強いコレクションとなりました。

本来ならば今頃、世界中から多くの人が東京の街を賑わせていたはずなのですが、逆に人と人との距離を保たなければならず、

イマイチ外に出ることも気が引ける状況の中、東京生まれ東京育ちの私としては、変化を遂げてきた街の勢いを忘れずに躍動していければと思っています。

 

このSSSに関してはまだまだ語り切れていないストーリーが多すぎるため、また今度書かせていただきたいと思います。

 

撮影・文:川瀬 巨真(LION HEARTデザイナー)

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