世界ではモンスターによって様々なものが破壊され、
様々なことが停止することを余儀なくされた。
2021年、いよいよモンスターが姿を現し、
人間は“ファッション”という武器で向きあうことを選択した。
『モンスターとの共存』
人々が築き上げてきたカルチャーにまた新たな生き方がプラスされながらも、
ストリートから発信する“遊び心を忘れない想い”を表現した新シリーズ。
東京から発信されるカルチャーとアクセサリーの融合
世界中に蔓延するコロナウィルスによって、
人々の生活スタイルが大きく変化しました。
それはもちろん私にとっても大きなことで、
コロナが発生した2020年に
このTOKYO HYPER REALITY(以降T.H.R)は誕生しました。
当初、オリンピックで注目される”東京”をピックアップし、
”東京”が持つエネルギーを表現しようと企画しました。
コレクション立ち上げと同時にコロナにより世界中がストップし、
東京の街からも人がいなくなりました。
それに伴い、進行中だった企画も軌道修正を余儀なくされ、
情勢を見ながら”リアル”を描いていきました。
ライオンハートにはブランドを代表するハウルというモチーフがあり、
ブランドにとってのレガシーを意味しています。
そんな中「このコロナ渦にNEW HEROが必要だ」と思い、
ファッションやカルチャーの象徴としてLEOを生み出しました。
LEOは希望を照らす太陽をイメージし、
ファンタジー的な要素を表現しています。
日本が世界に発信している”ゲーム”の要素を
3Dポリゴンで表現したPOLYGONでは更に、
面で構成されるRichardというライオンを制作し、
様々なライオンを表現しました。
そうした中、東京オリンピックが開催されるはずであった7月に
SSS(トリプルエス)というシリーズをリリース。
東京という街にあふれる”効果音”で表現したエネルギーをアクセサリーに落とし込みました。
このSSSは当初、
オリンピックにより世界中から人が集まり、
賑わう東京のエネルギーを表現するはずでした。
しかし実際は街に人がいなくなり、
未だかつて見たことのない静けさに包まれていました。
東京生まれ東京育ち、
ずっと東京を見てきた私は
「東京のストリートはこんなもんじゃないでしょ!」と、
本来持ち合わせている東京のエネルギーをSSSに込め、
ごく自然に軌道修正しました。
8月には更なる想いを込め、
2014年からある”希望”を意味する唯一のコレクションだったLUCKを
T.H.Rに吸収しました。
今思えばかなり大胆だったかもしれませんが、
ホースシューにタギング(壁の落書き)をミックスする、
現代のラグジュアリースタイルに刷新し、
この状況下へ希望を与えたいと思っています。
その年のクリスマスにはRe:building our cityと題したシリーズで
”人間の力で街を再構築しよう”といったメッセージを伝えました。
そして今年2021年は「モンスターとの共存」と題して、
コロナと向き合う私たちの生活を表現するMONSTER BREAK THE CITYを発表。
コロナをアイコニックなキャラクター「モンちゃん」を生み出し、
新たなメッセージを送りました。
私は以前からメッセージ性を前面に打ち出しすぎるのは
ちょっと重いよねと思っているので
8月にリリースしたLEOは
ビジュアル的にパンチ力のあるロックなイメージで”攻撃的にし、
T.H.Rはこれからもカルチャーを発信していこうと思っています。
本文・撮影 川瀬巨真(ライオンハート プロダクトディレクター)
2021.09.16
TOKYO HYPER REALITY
T.H.Rとは 東京発のアクセサリーブランドとして リアルなストリートファッションにカルチャーをプラスした、 遊び心をミックスしたコレクション。 VIRTUALやFANTASY、JAPANESE POP CULTUREが シームレスに重なり合いながら存在し、 それを現実世界のファッションとして楽しむことを提案します。