目次
はじめに
皆さん、ご自身がお持ちのアクセサリーや、店に並んでいるアクセサリーの刻印を見たことはありますか。
アクセサリーには必ずその商品に使われている素材が刻印されています(例えばK18とかSV925とか)。
なかでも、316Lと刻印されたアクセサリーがあるのを知っていますでしょうか。
ここでは「316Lとはなにか」ということをご説明していきたいと思います!
316Lはサージカルステンレスのこと
316L(SUS316L)はサージカルステンレスをJIS規格(日本産業規格)で表記したものです。JIS規格に基づき、下記のような構成条件をクリアしたものを316L(サージカルステンレス)と呼びます。
C炭素 |
0.03 以下 |
Siケイ素 |
1.00 以下 |
Mnマンガン |
2.00 以下 |
Pリン |
0.045 以下 |
S硫黄 |
0.03 以下 |
Niニッケル |
12.00 〜 15.00 |
Crクロム |
16.00 〜 18.00 |
Moモリブデン |
2.00 〜 3.00 |
Fe鉄 |
残り |
実はサージカルステンレスはいわゆる俗称でして、正式に使われる言葉ではありません。私たちがサージカルステンレスと呼んでいるステンレスはいくつか種類はありますが、その中でもアクセサリーに使われているのはほとんどが316Lです。
サージカルステンレス(316L)はステンレスの中でも腐食しにくい素材で、医療用のメスやハサミなどにも使われています。
※ここからは便宜上316Lのことをサージカルステンレスと書かせていただきます。
サージカルステンレスとは
ところで、サージカルステンレスとはいったい何なのでしょうか。
いや、サージカルステンレスの話をする前に、そもそもステンレスって何なんでしょうか。なんとなくわかるけど、正直あんまりわかんないですよね。
ステンレスは正式にはステンレス鋼と呼ばれる金属で、英語で表記すると「stainless steel」
つまり、錆びない(stainless)鋼鉄(steel)です。
鉄を元に炭素を混ぜたものをスチールと呼びますが、その中でも耐久性を持たせるためさらにクロムを混ぜ込んだものがステンレススチールです。
この辺の概念をわかりやすくまとめたのが下の図。
「アイアン」「スチール」「ステンレス」はの違いって普段あまり意識しないですが、実際こういう感じだったんですね!
ステンレスは含有物質によってさまざまな種類があり、その中の一つがサージカルステンレスです。
サージカルステンレスは他のステンレスより耐食性が格段にグレードアップされており、普段着けのアクセサリーとしてもってこいの素材です。
サージカルステンレスのすごいところ!
サージカルステンレスを使ったアクセサリーの優れた点は、「つけっぱなしにできるアクセサリー」であることです!
ここではその根拠を示していきたいと思います!
変色が少なく錆びにくい
サージカルステンレスと同じ色味でアクセサリーとしてメジャーなシルバー。金属として希少性が高く、素材自体柔らかいので加工がしやすく人気の貴金属。しかし、使っているうちに黄ばんできたり、黒ずんできたりしてしまうので手入れがけっこう大変です。
それに比べ、サージカルステンレスはよっぽどのことがない限り変色したり錆びたりしないんです!
なぜステンレスが変色したり錆びたりしないのか、それはステンレスが持つ「不導体皮膜」のおかげです。
かいつまんで言うと、不動態皮膜というのはステンレスの表面で自動的に生成されるバリアです。
ステンレスに含まれるクロムと空気中の酸素が反応し、ステンレスの表面に膜を張ります。その膜がステンレスを錆や変色から守る働きをしているのです。
そして、この不導体皮膜はもしステンレスに傷がついたとしても、クロムと空気中の酸素が再び反応し、再生されます。
これがステンレスが変色しにくく錆びにくい秘密です。
傷がつきにくい
サージカルステンレスのすごいところはその丈夫さ!
ステンレスは圧力を加えていったとき、物体が急激に変化し、もとに戻らなくなる「降伏」という現象が起こりません。
また、モース硬度(傷のつきにくさ)も高く、銀が2.5ほど(人間の爪程度)であるのに比べ、サージカルステンレスは6.0です。
モース硬度6.0は、一般的にナイフで傷をつけることが出来ず、刃が傷む程の硬さであるといわれています。
そのため、サージカルステンレスのアクセサリーは日常的に身に着けていても、よっぽど無茶しない限りアクセサリーが傷だらけになるみたいなことはありません!
金属アレルギー対応
アクセサリーを楽しみたいのに、シルバーアクセだとアレルギーが出てしまって着けることができないって方いらっしゃいませんか。「オシャレは我慢」とは言いますが、我慢にも限界があるし、そもそも我慢していること自体がオシャレじゃない気がします。よね?
そんな貴方、サージカルステンレスのアクセサリーを一度使ってみてください。
サージカルステンレス(316L)は先ほども説明したように、不導体皮膜を纏っているので腐食しにくく、金属アレルギーの原因となる金属イオンをほとんど発生させません。
そのため、ほかのアクセサリーに比べ、サージカルステンレスを使ったアクセサリーは格段に金属アレルギーを起こしにくいといえます!
サージカルステンレスが、金属アレルギーとの戦いに終止符を打つカギだったのです。
リーズナブルな価格
主にアクセサリーに使われる素材の中でも、金属アレルギーを起こしにくいものとしてK18の金やPT900~1000のプラチナなどがありますが、正直なかなか気軽に手が出ない値段ですよね。
しかし、サージカルステンレスは貴金属ではなく人工的に作られた合金なので、比較的安価なものとされています。
金やプラチナなどの貴金属以外を使った低価格帯のアクセサリーは、大概金属イオンを発生させやすい素材を使っていますので、金属アレルギーを起こしやすいものが多いです。
高すぎないけど、耐久性があり、金属アレルギーを起こしにくいというコスパの良さもサージカルステンレスの一つの魅力ですね!
サージカルステンレスを使ったアクセサリー紹介(LH-1)
ここまででサージカルステンレスすごい!
となった方に、いくつかサージカルステンレスのアクセサリーをご紹介!
「初めて着けるアクセサリーがライオンハートである様に」という想いから生まれた、ファッション・スタイル・シーンを選ばないデイリーユースなステンレスコレクションです。
「サージカルステンレスすごい!」とならなかった方は、なんとなくサラァーっと流し見してください。
リング
シンプルでどんなコーディネートにも取り入れやすいデザイン。
ジェンダーレスなデザインなので、男女でペアリングとして着けていただくのもいいですね!
ネックレス
首元は特に汗をかきやすく、金属アレルギーになりやすいのではないでしょうか?
また、夏場は特にシルバー925だと汗が原因でチェーンの後ろの部分が黒ずんでしまいますよね、、、
だったらやっぱりサージカルステンレスですよね。
定番のダブルリングやプレート、トレンドのチェーンネックレスなど幅広い品ぞろえです!
ピアス
サージカルステンレス製のピアスはまさに日常使いのアクセサリーとしてもってこいです!
金属アレルギーになりにくく錆びないのに加え、熱にも強いので、例えば温泉に行ってピアスを外して紛失してしまうなんてことを防ぐことができます!
ピアスをつけっぱなしにできるのは本当に楽ですよね!付外しが苦手な初心者さんにも安心です!
また、デザインもシンプルでいやらしさが無く、飽きずに毎日着けられるようなスタメンアイテムです!
イヤーカフ
ピアスホールが開いていない方でも着けられるイヤーカフ。
顔周りのお洒落を考えて、ピアス代わりにつけることもできますし、お持ちのピアスに合わせて着けていただくこともできます!
また、イヤーカフ以外にもメンズイヤリングも取り揃えておりますので是非!
ブレスレット
シンプルでもしっかり存在感があるアイテムを取り揃えております。
毎日着けても飽きない&劣化しにくいので、かなりおすすめ!
まとめ
いかがだったでしょうか。
ここまで読んでいただいて、サージカルステンレス(316L)の魅力を少しでもわかっていただけたなら幸いです。
錆びにくく、丈夫で、金属アレルギー対応で、貴金属に比べ比較的安価な素材。普段使いのアクセサリーとして持ってこいですね!!
【おまけ】他の素材の刻印
今回はサージカルステンレス(316L)をピックアップしていますが、他にもアクセサリーに使われている素材はJIS規格や国家検定などによって刻印の表記方法が決められています。皆さんもアクセサリーに施されている「SV925」や「K18」などの刻印を一度は見たことがあるのではないでしょうか?
サージカルステンレスの表記以外にも、いくつか代表的なアクセサリーに使われる金属の表記を知れたら便利だと思いますので、わかりやすく表にまとめてみました。
|
金属 |
含有率 |
K24 |
金(ゴールド) |
99.9% |
K18 |
75.0% |
|
K10 |
41.6% |
|
(SV/ Ag/ Sterling)999 |
銀(シルバー) |
99.9% |
(SV/ Ag/ Sterling)925 |
92.5% |
|
Pt999 |
白金(プラチナ) |
99.9% |
Pt850 |
85.0% |
文:佐々木 大輔(LION HEART)